発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014195244
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
45歳女。胸部conventional CTで左舌区の灌流気管支の肥厚を伴う気管支拡張像、左上葉・下葉に粒状・結節影を認め、咳嗽、膿性痰を自覚した。喀痰検査と気管支鏡検査の培養はM.avium陽性で、肺MAC症と診断した。リファンピシン(RFP)、エタンブトール(EB)、クラリスロマイシン(CAM)による治療を開始した。治療開始16日目に背部・下腿の皮疹と頭痛を自覚した。画像所見は、結核でみられるいわゆる初期悪化がもっとも考えられたが、真の悪化やRFPなどによる薬剤性肺障害も鑑別診断にあげられた。RFPのみならず、念のためEB、CAMも中止した。1週間後にEB、CAMを再開し、再開2週間後にレボフロキサシン(LVFX)も併用した。薬剤によるリンパ球刺激試験では、RFP、EB、CAMすべて陰性であった。胸部HRCTではスリガラス影は消退し、左肺の粒状・結節影もさらに軽減した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014