特集 診断と治療に難渋した皮膚潰瘍
手難治性潰瘍の再建術後に診断された原発性皮膚T細胞リンパ腫の1例
阿部 直樹
1
,
佐野 健司
,
平沢 千尋
,
水藤 元武
,
池上 みのり
,
長屋 裕之
,
重吉 佑亮
1飯田市立病院 形成外科
キーワード:
外科的皮膚弁
,
腫瘍多剤併用療法
,
腫瘍随伴症候群
,
鑑別診断
,
生検
,
デブリードマン
,
皮膚移植
,
皮膚潰瘍
,
皮膚腫瘍
,
陰圧閉鎖療法
,
CHOP Protocol
,
原発性皮膚CD4陽性小・中細胞型T細胞リンパ増殖症
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Skin Neoplasms
,
Skin Ulcer
,
Surgical Flaps
,
Skin Transplantation
,
Paraneoplastic Syndromes
,
Debridement
,
Diagnosis, Differential
,
Biopsy
,
Negative-Pressure Wound Therapy
,
VAP-cyclo Protocol
pp.662-671
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2022224303
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64歳女性。右手背の皮膚潰瘍を主訴に近医の皮膚科を受診し、水疱性類天疱瘡の診断でステロイド剤による治療が行われるも、症状の軽快を認めなかったため当院へ紹介となった。所見では右前腕遠位より手背にかけて壊死組織を伴う皮膚潰瘍と周囲に落屑を伴う紅斑がみられた。細菌感染による難治性皮膚潰瘍を考え、再建手術を含めて手術を4回実施し、右手の皮膚潰瘍は治癒が得られた。その後、後発症状であった左手紅斑に対する生検結果が皮膚T細胞リンパ腫であったことから、多剤併用化学療法を6回実施した。化学療法終了後1年で局所再発、リンパ節や臓器病変はみられず、良好に経過している。
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