綜説
結節性硬化症に伴うてんかんに対するエベロリムスの有効性
白石 秀明
1
1北海道大学病院小児科・てんかんセンター
キーワード:
結節性硬化症
,
エベロリムス
,
mTOR活性
,
てんかん
,
TSC1/TSC2遺伝子
Keyword:
結節性硬化症
,
エベロリムス
,
mTOR活性
,
てんかん
,
TSC1/TSC2遺伝子
pp.1351-1356
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001941
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結節性硬化症は,さまざまな臓器障害をきたす神経皮膚疾患で,85%でてんかん発作をきたす.てんかん発作の発現が早いほど精神遅滞をきたすことが多く,また約60%で薬剤抵抗性のてんかん発作を合併する.エベロリムスは,哺乳類ラパマイシン標的蛋白質(mTOR)活性を選択的に抑制する薬剤で,結節性硬化症の原因となる,TSC1/TSC2遺伝子関連複合蛋白の機能異常により異常亢進しているmTOR活性を選択的に抑制する.これまで,結節性硬化症では上衣下巨細胞性星細胞腫,腎血管筋脂肪腫に対する適応に加え,2020年から結節性硬化症全体に適応が拡大され,合併するてんかん発作に対しても使用が可能になった.これまでの治験においてはその有効性が証明されている.
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