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第1土曜特集 成人診療医にも知ってもらいたい小児神経疾患診療のポイント
結節性硬化症
Tuberous sclerosis complex
岡西 徹
1
Tohru OKANISHI
1
1鳥取大学医学部神経医科学講座脳神経小児科学分野
キーワード:
結節性硬化症
,
神経皮膚症候群
,
遺伝性疾患
,
腫瘍性病変
,
mTOR阻害薬
Keyword:
結節性硬化症
,
神経皮膚症候群
,
遺伝性疾患
,
腫瘍性病変
,
mTOR阻害薬
pp.739-743
発行日 2024年3月2日
Published Date 2024/3/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28809739
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結節性硬化症はTSC1・TSC2遺伝子の変異による常染色体顕性遺伝の神経皮膚症候群であり,多臓器にまたがる良性腫瘍・過誤腫・過誤組織を呈する.生命予後に関わる上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA),腎血管筋脂肪腫,肺リンパ脈管筋腫症や,QOLに関わるてんかん,知的障害や発達障害,皮膚病変,網膜病変などを呈する.またこれらの病態はそれぞれが年齢に応じて出現・消退していく性質がある.症状の重症度や組み合わせは様々であり患者ごとの対応が必要になる.エベロリムスを中心としたmTOR阻害薬は各臓器の腫瘍性の病変とてんかんに有効であり,その内服治療は多臓器にまたがる効果を発揮する.病態が多臓器や神経心理にまたがるため,小児期の小児科診療から成人期移行する際に転科先の選択で難渋しやすい.近年は専門に診療する外来も各地に設けられている(日本結節性硬化症学会ウェブサイト参照)ため,できるだけ相談することが望ましい.
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