高齢者骨折に対する私の治療法
骨粗鬆症に伴う下肢の骨折 大腿骨頸部・転子部 90歳以上の大腿骨転子部骨折に対するProximal Femoral Nail Antirotationの使用経験
佐藤 栄一
1
,
萩野 哲男
,
天野 力郎
,
前川 慎吾
,
佐藤 信隆
,
市川 二郎
,
浜田 良機
1山梨大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
股関節部骨折
,
髄内固定法
,
骨ネイル
,
大腿骨頸部骨折
,
転倒・転落
,
失血-外科
,
80歳以上高齢者
,
手術時間
Keyword:
Accidental Falls
,
Aged, 80 and over
,
Bone Nails
,
Femoral Neck Fractures
,
Fracture Fixation, Intramedullary
,
Hip Fractures
,
Radiography
,
Blood Loss, Surgical
,
Operative Time
pp.176-180
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055162
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Proximal Femoral Nail Antirotation(PFNA)を使用して治療した90歳以上の大腿骨転子部骨折17例17骨折を対象に、治療成績について検討した。骨折型はAO分類で31-A1が12骨折、31-A2が5骨折であった。受傷前の歩行状態は1例を除き独歩、杖又は歩行器歩行が可能、術前全身状態はASA分類でperformance status(PS) 2が14例、PS 3が3例であった。手術時間は平均45.3分で、術中出血量は平均60ml、骨癒合時のブレードのスライディング量は平均7.3mm、TADは平均10.3mmであった。カットアウトやバックアウト等の合併症は認められなかった。術前に独歩可能であった6例中3例と、術前杖・歩行器使用の10例中8例が術前と同等の移動能力を獲得でき、歩行維持率は68.8%であった。術前に歩行器・シルバーカー使用であった2例が、術後に寝たきりとなった。また、深部静脈血栓症や肺気腫を発症した例はなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007