高齢者骨折に対する私の治療法
骨粗鬆症に伴う下肢の骨折 大腿骨頸部・転子部 不安定型大腿骨転子部骨折に対する整復操作の工夫
林 博志
1
,
南里 泰弘
,
寺崎 禎
,
三石 桂
,
井上 啓
1富山県厚生農業協同組合連合会滑川病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
股関節部骨折
,
内固定法
,
骨ネイル
,
治療成績
,
骨折-不安定型
Keyword:
Bone Nails
,
Fracture Fixation, Internal
,
Hip Fractures
,
Radiography
,
Treatment Outcome
pp.170-175
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055161
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当科では不安定型の転子部骨折に対して、骨折部前方の小皮切から骨折部に進入し、Kapandji法を応用した整復操作を行っている。2005~2006年度に骨接合術を施行した大腿骨転子部骨折は68例で、そのうち通常の整復操作で整復位の獲得が困難であった不安定型転子部骨折8例8肢をに本法を行った。骨折型はEvans分類type I、group 3が7例、type I、group 4が1例であった。受傷前の歩行レベルは独歩可能4例、つかまり歩行3例、歩行不能1例であった。Tip-apex distance(TAD)は平均10.3mmと、全例で20mm以下と良好な位置にラグスクリューが挿入された。テレスコープ量は平均4.4であった。そのうち、粉砕の強いEvans分類type I、group 4の1例で16mのテレスコープが生じていた。骨癒合は全例で得られた。また術前独歩可能であった3例と、杖又は老人車での歩行レベルの2例は元の歩行状態へと回復したが、もとからつかまり歩行レベルであった2例の歩行能力は車椅子レベルに低下した。歩行不能レベルであった1例は不変であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007