発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008060728
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大腿骨転子部骨折に対しグライディングネイル(GLN)を用いて加療した51例52股(男7例、女44例、平均年齢85.5歳)の治療成績を報告し、有用性と問題点を考察した。手術時間は平均38.0分で術中骨折は認めず、ブレード刺入時にネイル側のデバイスを内側に押し付けながら把持することにより骨折部の離開を防止することができた。逆斜骨折や頸部基部骨折などの症例に対しても積極的に施行し、ブレードが不適切な位置へ刺入された初期の2例も良好に経過した。術前に独歩または杖にて自立歩行可能であった31例中21例(68%)は術後も自立歩行が可能であった。3例に認めたネイル挿入困難やブレード突出による皮膚刺激といったインプラント形状による問題点は、改良型インプラントにより解決され、さらに幅広い症例に適応可能と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007