発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016402986
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
71歳男性。排便困難を主訴に近医を受診、下部消化管内視鏡検査にて直腸の腫瘤を指摘され、精査加療目的で著者らの施設へ紹介となった。精査によりstage IIIbの直腸大細胞型神経内分泌細胞癌(LCNEC)と診断され、術前化学療法としてEP療法を開始したところ、2コース施行後にはPRが得られ、開腹下に左結腸動脈を温存した全自律神経温存D3郭清を伴う低位前方切除術が施行された。その結果、病理組織学的にLCNECで、手術は癌遺残のないR0手術と診断された。以後、IP療法を4コース施行したが、術後8ヵ月で骨盤内に多発したリンパ節が腫大し、EP療法を4コース追加、更にS-1併用の骨盤部放射線治療を施行した。だが、治療効果は得られず、患者は全身リンパ節転移、多発骨転移、多発肝転移を来し、術後1年3ヵ月目に死亡となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2016