発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016402985
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82歳女性。約20年前に子宮癌に対する開腹術と術後放射線治療を受けた既往をもつ。今回、健診にて便潜血陽性を指摘され近医を受診、大腸内視鏡検査で多発ポリープを認めたため、著者らの施設へ紹介となった。消化器内科では内視鏡下に上行結腸、横行結腸、S状結腸のポリープを切除したが、S状結腸の15mmの側方発育型腫瘍(LST-G)は内視鏡的切除が困難と判断され、経過観察となった。しかし6ヵ月後、大腸内視鏡検査と生検よりS状結腸癌と診断され、外科へ紹介となった。治療として開腹下でS状結腸切除術+D2郭清、DSTによる再建を行なった結果、病理組織学的に放射線誘発S状結腸癌であった。以後、術後8ヵ月目には多発性肝転移が認められたが、無治療にて経過観察とした。尚、目下、術後1年3ヵ月で腫瘍マーカーのCEAの漸増、肝転移巣の増大傾向を認めるが、生存中である。
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