発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011292667
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75歳女。便秘・下腹部痛の精査で直腸癌と診断され、手術目的で転科した。手術所見で腫瘍はRaに存在し、左卵巣および周囲の回腸に直接浸潤が疑われ、RS~Raは側腹壁に強く浸潤して剥離困難と考えられた。更に、Douglas窩に腹膜播種を認め、洗浄細胞診は陽性であった。根治手術は不可能と判断し、浸潤していた小腸を部分切除した後、下行結腸で双孔式人工肛門を造設した。術後化学療法としてmFOLFOX6+bevacizumabを施行し、CEAは徐々に下降したが、8クール終了した時点で両手指のしびれ感を認め、その後はFOLFIRI+bevacizumabを計20クール施行した。施行後の画像検査で周囲浸潤を疑う所見の改善を認め、腫瘍切除可能と判断し、手術所見で腹膜播種や周囲組織への浸潤はなく、人工肛門部分を含めた低位前方切除術を行った。病理組織所見より中分化型管状腺癌、Stage IIIa、根治度Aと診断した。術後放射線療法を計25.2Gy行い、現在は化学療法施行中である。
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