発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016402983
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71歳男性。原発性肺癌に対する胸腔鏡下左上葉切除術後8ヵ月目に上腹部痛が出現、救急外来受診となった。腹部造影CTでは上腹部中心にfree airを認め、膀胱直腸窩に腹水の貯留を認めた。小腸穿孔による汎発性腹膜炎の疑いで緊急開腹術を行ったところ、手術所見では十二指腸空腸曲から25cmの空腸に5mm大の穿孔部が認められたほか、大動脈周囲や腸間膜リンパ節には著明な腫大がみられた。以後、小腸の部分切除術を施行した結果、病理組織学的に肺癌術後の小腸転移と診断され、術後は化学療法が導入されたが、2コース目開始後に再び消化管穿孔を生じた。再度、緊急手術が行われたが、前回より30cm肛門側空腸に穿孔部を確認した。そこで、小腸を部分切除すると、前回同様、肺癌小腸転移による穿孔であった。
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