発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014298166
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63歳男。胸部異常陰影を主訴とした。胸腹部CTでは左肺S6に空洞を伴う腫瘤影(6.1×3.6cm)と左肺門リンパ節、両側副腎、肝臓、膵臓、腰椎の結節を認め、PET検査では左肺S6、左肺門リンパ節、両側副腎、膵臓、腰椎ならびに小腸もしくは腸間膜リンパ節への集積を認めた。気管支鏡下生検より低分化腺癌、原発性肺癌stage IVと診断したが、経過中に腫瘍の胸膜浸潤および破綻による左肺気胸と上腹部痛が出現し、腹部CTにて腹腔内の遊離ガス、小腸の壁肥厚と腸間膜の脂肪織濃度の上昇を認めた。肺癌による気胸、肺癌空腸転移による小腸穿孔と診断して、穿孔部位を含む空腸部分切除、左気胸に対する開胸手術、左肺下葉切除を行い、切除標本の病理組織学的所見より肺多形癌と診断された。本症例では小腸転移の術前診断にFDG-PETが有用であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014