発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011292663
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症例1:60歳代女。9ヵ月前に右上葉肺癌(大細胞癌)を指摘され、化学療法で経過観察されていたが、断続的な下血と貧血が出現した。CTで空腸に10×8cm大の全周性腫瘍を認め、X線で肺癌原発巣は増大していた。保存的治療で下血の改善なく、小腸切除+S状結腸合併切除を行った。病理組織所見より肺癌小腸転移と診断し、術後早期より癌性胸水が出現して急速に増悪し、呼吸不全で第10病日に死亡した。症例2:50歳代男。6ヵ月前に右上葉肺癌(大細胞癌)で上葉切除術が行われたが、食欲不振、貧血に対する精査目的のCTで空腸起始部に10×9cm大の腫瘍を認め、生検で肺癌小腸転移と診断された。横行結腸間膜に浸潤していたが他に転移巣はなく、患者希望により空腸切除+横行結腸合併切除を行った。空腸断端は縫合閉鎖して盲端とし、十二指腸下行脚前壁に空腸を挙上し側々吻合した。術後腹部症状は改善し、化学療法を3コース行い、2年間無再発経過観察中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2011