発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016139112
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77歳女。数ヵ月前より持続する血便を主訴に、近医の下部消化管内視鏡にて直腸後壁の2型病変を指摘され、精査加療目的に当科紹介となった。入院時、下部消化管内視鏡では直腸Ra-Rbに約3/4周性の2型病変を認めた。全身精査の結果、直腸癌Stage II、左乳癌Stage I、甲状腺腫瘍class IIIと診断し、甲状腺右葉切除術、胸筋温存左乳房切除術、直腸低位前方切除術を一期的に施行した。病理組織学的に同時性三重複癌と診断され、乳癌に対する術後補助療法としてホルモン療法を行った。術後半年のCTにて転移性肺腫瘍を認め、胸腔鏡下左肺S3部分切除術を行い、病理診断は直腸癌の肺転移であった。その後はホルモン療法に加え、S-1内服を追加し、術後11ヵ月無再発生存中である。
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