発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016402984
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70歳男性。突然の腹痛と嘔吐を主訴に近医を受診、腸閉塞の診断で著者らの施設へ紹介となった。腹部造影CTではS状結腸間膜左葉の背側に壁の肥厚した小腸がみられ、その小腸に連続して腸間膜内血管のうっ滞、血管の収束像を認めた。以上、上記の所見より本症例は腸閉塞と診断されたが、腸管虚血を認めなかったため、イレウス管挿入による保存的治療が行われた。その結果、第7病日目の小腸造影では左側骨盤内に造影剤の貯留を伴う小腸閉塞像を認め、同時に施行したMPR所見とあわせ、S状結腸間膜関連の内ヘルニアと診断された。以後、第9病日目に腹腔鏡下手術を行ったところ、手術所見でS状結腸間膜窩ヘルニアを確認、S状結腸を後腹膜から授動し、ヘルニア門を開放した。尚、目下、術後15ヵ月経過でヘルニアの再発は認められていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2016