発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016030707
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77歳男。19年前に肺の低分化型腺癌に対し右肺中葉切除+リンパ節郭清術、術後補助化学療法を施行され、再発は認めていなかったが、今回、健診で胸部X線異常を指摘された。胸部CTでは右底幹内側の縦隔に接する約34mm大の結節、両側肺野に約40個の小結節を認め、経食道心エコー下の針生検で腺癌と診断した。19年前の手術検体と針生検の検体の遺伝子検索を行ったところ、手術検体と針生検の組織像は特徴を共有していた。針生検の検体は免疫組織化学(IHC)法、FISH法ともに未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)が陽性で、手術検体もIHC法で陽性であることから、転移と診断した。Crizotinib投与を開始し、投与後1ヵ月のCTで部分寛解を確認した。現在19ヵ月が経過し、無増悪生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2015