発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009037039
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81歳女性。患者は腹痛および腹部膨満感を主訴に、汎発性腹膜炎の診断にて著者らの施設へ入院となった。血液検査では高度な炎症反応が認められ、腹部単純X線では小腸ガスを認めたが、free airやニボー像はみられなかった。一方、腹部CTを施行したところ、腸管内にhigh densityの異物が確認され、異物による腹膜炎を疑い、同日緊急手術が行なわれた。手術所見では空腸に約2mmの穿孔部位を認め、その近傍に固い異物が触知された。そこで穿孔部位を含む空腸を切除し、端々吻合した結果、摘出標本では穿孔部周囲にはびらん、潰瘍、膿瘍が認められ、異物は16×13mmのpress through package(PTP)であることが確認された。以上より、本症例はPTP誤飲による空腸穿孔性腹膜炎と診断、術は後経過良好で第21病日目に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008