発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013186088
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92歳男性。心窩部痛を主訴に著者らの施設へ精査入院となった。上部消化管造影所見にて胃穹窿部後壁に径2.0cmの粘膜不整像が認められた。また、上部消化管内視鏡所見では胃穹窿部後壁のIIa+IIc病変が指摘され、生検にてIIa部分は高分化型腺癌およびIIc部分は印環型細胞癌と診断された。これらは多発性早期胃癌であったため、D2リンパ節郭清を伴う胃全摘出術が施行され、空腸間置法で再建した。その結果、病理組織学的所見で胃穹窿部後壁に互いに連続性を欠如した胃癌病巣が多数存在しており、肉眼上のIIc部に著明な異型を呈していた。更に別な異型リンパ球もび漫性に増生しており、最終的にfollicular lymphomaと診断された。尚、胃癌細胞は全てm病変で、GISTとの連続性は認められなかった。
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