発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010028528
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70歳代女性。患者は検診にて左側腹部腫瘤を指摘され、著者らの施設へ紹介となった。入院時、貧血およびLDHの上昇が認められ、腫瘍マーカーはCEA、CA19-9ともに異常高値を示していた。注腸造影ではS状結腸から下行結腸移行部で腸管がループが形成され、ループの前後で狭窄像が認められた。一方、胸部CTでは両側肺野に転移巣みられ、腹部CTではS8、S5/S8、S6、S7に肝転移巣、下行結腸への腹膜浸潤が認められた。以上より、本症例は下行結腸癌によるS状結腸瘻および同時性多発性肺転移、多発性肝転移と診断され、原発巣切除が行なわれた。その結果、病理組織学的に腫瘍は中分化腺癌(Stage IV)で、術後化学療法としてFOLFOX4投与を開始したが、徐々に肺や肝転移による病状が悪化し、患者は最終的に術後9ヵ月後に死亡となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009