発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010292458
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青森労災病院外科で2001~2004年に手術を行った大腸多発癌20例について検討した。多発癌の診断が1年未満の期間でなされたものを「同時性」、1年以上を「異時性」とした。同時性は15例(75%)、異時性は5例(25%)であった。同時性例の平均年齢は73歳(48~91歳)、異時性例の第1癌の診断年齢は平均68歳(47~77歳)であった。患者の性別は同時性が男性9例(60%)、女性6例(40%)、異時性が男性1例(20%)、女性4例(80%)であった。腫瘍の占拠部位は、同時性と異時性の第1癌では左側結腸と直腸が多く、異時性の第2癌は右側結腸が多かった。組織型は全体的に高分化腺癌と中分化腺癌が多かった。進行度は、同時性で「進行癌」と「早期癌」の組み合わせが多く、異時性で「進行癌」と「進行癌」の組み合わせが多かった。当科で同期間に手術を行った大腸癌患者全体に占める多発癌患者の割合は8%であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010