発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014367338
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82歳女。1日4~5回の下痢・血便を生じ、2ヵ月で5kgの体重減少があった。入院の上で絶食し下血は軽快したが、下部消化管内視鏡で横行結腸に1型腫瘍を先進部とする重積を認め、生検でwell to moderately differentiated adenocarcinomaと診断された。経過中、消化管通過障害症状や腸閉塞症状は認めなかった。手術42日前、13日前のCTで横行結腸中央付近に腸重積を疑わせる腫瘤と、腫瘤内への口側結腸の陥入像を認めた。発症から約1.5ヵ月(初診から41日後)に手術を施行し、腹水や腹膜播種はなく、横行結腸部の腸重積は解除された状態で、中央付近に腫瘍を触知した。漿膜面に露出はなく、周囲に腫大したリンパ節も認めなかった。横行結腸切除、D3リンパ節郭清術および端々吻合を行った。病理組織学的に腫瘍は1型で3.7×3.2cm、moderately differentiated tubular adenocarcinoma、pSS、pN0、ly1、v2、med、INF-βであった。術後13日に軽快退院し、術後6ヵ月の現在、再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2014