発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012371431
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症例は13歳男児で、突然強い腹痛が出現し、頻回の嘔吐が認められた。血圧130/70mmHg、脈拍92回/分、腹部は全体的に膨隆し、鼓腸が認められた。また、圧痛も著明で腹膜刺激症状がみられた。白血球14900/μl、CRP1.25mg/dlと炎症所見が認められた。腹部単純X線で腹部全体に及ぶコーヒー豆徴候様の著明な拡張腸管を認め、右上腹部に小腸ガスの集中像が認められた。腹部単純CTで著明な拡張腸管を認め、その腸間膜にwhirl signが認められた。腹腔内ガス像は明らかでなかった。大腸内視鏡で肝彎曲部付近までスコープを挿入すると、同部位に捻転によると思われる強い狭窄が認められた。盲腸軸捻転症と診断し、内視鏡的整復が困難なため、緊急手術した。開腹時、淡血性の腹水が認められた。腸管の穿孔・壊死はなかった。捻転部腸管は著明に拡張し、壁は暗赤色で著しい菲薄化をきたしていた。固定術は糸針による壁損傷からの穿孔、感染など合併症のリスクが高いと判断し、術式は右側結腸切除・一期的端側吻合とした。術後経過は順調で、第4病日から経口摂取を開始し、第9病日に退院し、問題なく経過している。
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