発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012270913
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症例1は73歳女性で、腹痛、嘔吐で受診した。腹部は著明に膨隆し、下腹部全体に圧痛、筋性防御を認め、X線で下腹部を中心に拡張した腸管ガス像、CTで骨盤を占拠する巨大な腸管ガス像と右側に小腸と思われるガス像が認められた。盲腸軸捻転症疑いで緊急手術を行った。回盲部は反時計方向に360度捻転し、捻転を解除したが絞扼による壊死部は回復せず、回盲部切除術を行った。術後21日目に退院した。症例2は54歳女性で、腹痛、嘔吐で受診した。腹部は膨満し、下腹部に圧痛、筋性防御を認め、X線で鏡面形性を認め、腸閉塞の所見であった。CTで回盲部の高度拡張と回盲弁と思われる部分を背側に認めた。絞扼性イレウスの診断で緊急手術を行った。回盲部は時計方向に180度捻転し、捻転を解除したが盲腸から一部上行結腸までの色調は改善せず、右半結腸切除術を行った。イレウス状態が継続し、大腸検査で横行結腸の脾彎曲部に癌を認め、後日横行結腸切除術を行った。
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