発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017288221
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症例は56歳男性で、腹痛、腹部膨満感を主訴に受診した。CTにて著明な腸管拡張を認め、腸回転異常症に伴う盲腸軸捻転症の再発を疑った。腹部造影CT所見で、十二指腸がTreitz靱帯を形成せずに脊椎の右側を下行し、上腸間膜動脈が上腸間膜静脈の右側に位置する上腸間膜静脈rotation signを認め、non-rotation型の腸回転異常症と診断した。また、拡張した回盲部が左上腹部を占拠し、whirl like appearanceを認め、盲腸軸捻転症を疑った。翌日の造影CTで腸管の拡張が増強し、手術を施行した。盲腸は後腹膜に固定されておらず、反時計回りに180°捻転し著明に拡張し、腸管壊死は認めなかった。拡張した盲腸の一部漿膜には裂創の存在を認めた。小腸はTreitz靱帯を形成せず脊椎右側を下行し腹腔内右側に位置し、non-rotation型の腸回転異常症に伴う盲腸軸捻転症と診断した。術後の経過は良好で、第18病日に退院した。その後、2年6ヵ月再発なく経過している。
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