発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013159086
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症例は69歳男性で、下血を主訴に、近医にて下部消化管内視鏡検査を行うための前処置として下剤を内服したところ、腹痛・腹部膨満が出現し、急性イレウスの疑いで当院救急搬送となった。腹部造影CT所見より、直腸S状部癌イレウス、同時性多発肝転移と診断し、開腹手術を行ったところ、上記腫瘍に加え、小腸腫瘍を認めたため、小腸部分切除術を行った。また、直腸S状部癌に対しては膀胱全層合併切除を伴う低位前方切除術・D3リンパ節郭清、肝転移には肝S8およびS5部分切除、Cur B手術を行った。病理組織学的に小腸腫瘍は海綿状リンパ管腫、直腸S状部癌はStage IV、肝転移はGrade Aと診断された。周術期は術後早期回復プロトコル(ERAS)で積極的な治療を行った。大腸癌に対しては術後補助化学療法mFOLFOXを6コース行った。術後1年経過した現在、再発はみられない。
©Nankodo Co., Ltd., 2012