発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011219008
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60歳女。めまい、黒色便を主訴に受診しHb低値で精査入院した。貧血と血小板減少を認め、造影CTで腹腔内に不均一に造影され比較的境界明瞭な腫瘤性病変を認めた。小腸内視鏡でTreiz靱帯から50cmの空腸に潰瘍形成を伴う30mm大の粘膜下腫瘍を認め、潰瘍部生検を行ったが腫瘍細胞は認めず、空腸粘膜下腫瘍として腹腔鏡補助下手術を施行した。病変部を創外に誘導し小腸部分切除を行った。切除標本は粘膜面、漿膜面の双方に突出する2.3×2.6×3.7cmダンベル状腫瘍で粘膜は潰瘍形成を伴っていた。病理組織学的検査では、紡錘形細胞の束状、索状増生からなる腫瘍像を呈し、免疫染色ではc-kit、CD34とも陽性でgastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断した。経過良好で術後1年4ヵ月の現在、再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2011