発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009331710
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37歳女。左下腹部痛を主訴とした。血液検査でLDHと腫瘤マーカーCEAおよびCA19-9の高値を認め、大腸内視鏡でS状結腸に全周性の不整狭窄を認め、口側への挿入は困難であった。同部の生検では、中分化腺癌の診断であった。CTでは両肺野に多数の結節影を認め、多発肺転移と考えられた。また、肝門部の巨大腫瘍をはじめ、肝内に多数の低吸収域を認め、多発肝転移と考えられた。S状結腸癌、多発肺・肝転移と診断し、S状結腸の狭窄が強いため、S状結腸切除術を施行した。切除標本は8×7cm大の3型腫瘍で、病理組織所見は中分化腺癌と中分化扁平上皮癌への分化が共存しており、腺扁平上皮癌と診断された。術後は5-FU+leucovorin療法、TS-1+CPT-11療法による化学療法を行ったが、効果判定はPDであり、その後全身状態の悪化が進行し、術後3ヵ月で癌死した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009