発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015339736
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78歳男。食欲低下、嘔気を主訴とした。左下腹部に圧痛を伴う手拳大の弾性硬な腫瘤を触知し、下部消化管内視鏡所見では肛門縁20cmに全周性狭窄を伴う進行大腸癌を認めた。腹部造影CT所見では下行結腸遠位部~S状結腸にかけて45mm大の腫瘤と、周囲脂肪織との間の毛羽立ち像を認め、S状結腸癌の診断でS状結腸切除術(D3郭清)を行い、摘出標本所見は3型進行大腸癌であった。病理学的所見では同一の癌の中に腺構造と扁平上皮様構造の混在を認め、腺扁平上皮癌、S、type 3、65×65mm、asc、pSE、sci、INFb、ly1、v0、pN0、pPM0(75mm)、pDM0(75mm)と診断した。術後6ヵ月に肺転移と傍大動脈リンパ節転移を認めたため、腺癌に対する治療法に準じて化学療法を行い、投与開始後3ヵ月に画像上著効と判断された。術後1年半経過現在も生存中である。
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