発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017028505
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72歳男。全身倦怠感、吐血を認め近医受診し、上部消化管出血の疑いで当院紹介となった。入院時の血液検査で著明な白血球増多を認め、上部消化管内視鏡・腹部CT所見より巨大胃原発悪性腫瘍からの消化管出血と診断した。内視鏡的に止血困難であったため開腹手術を行い、手術所見で腫瘍は胃体上部後壁を中心に膵尾部、脾臓、横行結腸脾彎曲周囲に強固に浸潤していた。胃全摘術、膵体尾部脾合併切除、横行結腸部分切除、Roux-en Y再建術を行い、病理診断はstage IVaの膵腺扁平上皮癌であった。術後白血球数は正常化し、経過良好にて退院となり、5-fluorouracil、cisplatin、gemcitabineによる化学療法を開始した。しかし、治療開始後3週間で高度の食欲不振と全身倦怠感が出現し、白血球数の再上昇、腹部CTで多発肝転移を認めた。癌の進行に伴い全身状態が悪化し、術後3ヵ月で死亡した。
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