発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013191404
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75歳男。腹部不快感を主訴とした。下部消化管内視鏡でS状結腸に15mm大のI sp型ポリープを認め切除術を行い、病理診断はsm層に3mm浸潤した中分化腺癌であった。血管造影を行い肝動脈性CT、門脈性CTを撮影したところ、S2、S3腫瘤辺縁より造影効果を認め、肝転移を疑った。肝S2、S3の転移巣を有するS状結腸sm癌と診断し、S状結腸+第2群リンパ節郭清+肝S2、S3部分切除術+胆嚢摘出術を施行した。切除した肝S2、S3は組織学的にS状結腸sm癌に類似し、肝転移と診断した。術後補助化学療法を行ったが、術後10ヵ月のCTでS2に4cm大の肝転移腫瘤を認め、マイクロ波凝固療法を行った。しかし、術後16ヵ月のCTで肝内側区域に4cm大の肝転移腫瘤を認め、肝左葉切除術を行った。術後38ヵ月に右下肺野に多発肺転移腫瘤を認め、術前化学療法、右肺下葉切除術を行った。術後64ヵ月に両肺野に肺転移を認め、化学療法を行ったものの術後73ヵ月に死亡した。
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