発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007069250
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77歳女。下痢を認め止痢薬を投薬されたが症状が悪化し、下腹部痛、血便も伴った。S状結腸に隆起性病変を認めた。軽度貧血、CRP上昇を認め、下部消化管内視鏡で隆起性病変を認め、生検で未分化癌と診断された。腹部CTで肝両葉に中心壊死を伴う多発性肝転移を認め、肝転移を合併したS状結腸癌と診断し、腸閉塞に対する姑息手術としてS状結腸切除術を施行した。術後順調に経過したが右乳房D領域に可動良好な腫瘤を自覚し、CTで右乳腺に境界明瞭な腫瘤陰影を認め、右乳腺腫瘤摘出術を施行した。術後リンパ節核出術を施行、肺転移もきたし全身化学療法も併用したが転移巣が増大し、進展が強く死亡した。S状結腸癌としてはまれな未分化癌の組織像を呈し乳腺に転移をきたした。
©Nankodo Co., Ltd., 2006