発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006321776
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72歳女.患者は腹痛を主訴に近医を受診,肝尾状葉に腫瘤を指摘された.MRIでは径5.5cm大の腫瘍と径1cm弱の複数の腫瘍を認め,先ず原発性肝腫瘍を疑ったが,各種ウイルスマーカーや腫瘍マーカー,肝機能も正常であったため消化管間葉腫瘍(GIST)の再発を疑った.初回病理標本の組織学的検索を行なったところc-KIT陽性で,50視野あたり約20個の細胞分裂像が認められた.GISTの肝内多発再発と診断し,STI 571の投与を開始し結果,1カ月後に腫瘍は縮小し,小腫瘍は画像上同定できなくなったものの,その後,3カ月間継続投与においては腫瘍径に変化はなく,顔面浮腫,腹痛,嘔吐等の副作用が出現した.患者の希望もあり,肝切除術を施行したところ,経過は良好で術後14日目に退院となった.補助療法を行っていないが,術後15カ月経過現在,再燃は認められていない
©Nankodo Co., Ltd., 2006