発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008300519
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
76歳女。腹部に違和感が生じた。腹部所見として、右下腹部の虫垂切除創瘢痕のやや上方に、大きさ10×10cm、境界不明瞭で表面平滑な軽度圧痛を伴う腫瘤を触知した。画像所見などより、十二指腸壁より発生した巨大腫瘍(特にGIST)、または後腹膜由来の腫瘍などを考えて手術を行った。病理組織所見は、GISTとして矛盾しない所見であった。なお、腫瘍は胆嚢壁とは連続性がなく、十二指腸筋層から発生したGISTと診断した。術後経過は良好で。第12病日に退院した。現在、術後3年6ヵ月を経過したが、下大静脈後面の嚢胞性病変を含め明らかな再発や再燃の兆候はみられない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008