発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012155108
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77歳男。食欲不振、体重減少を主訴に受診した。腹部は平坦・軟で腫瘤は触知せず、高度炎症反応、軽度貧血を認め、CEAとCA19-9は正常範囲内であった。下部消化管内視鏡で盲腸に約2/3周性の2型様腫瘍を認め、生検より紡錘形細胞の著明な増生、免疫組織はcytokeratin(-)、vimentin(+)、c-kit(+)、CD34(+)を示し、消化管間質腫瘍(GIST)と診断した。造影CTで盲腸に内部がやや不均一な限局性壁肥厚を認めたが、周囲脂肪織の不整、周囲リンパ節の腫大や肝転移は認めなかった。盲腸原発GISTの術前診断で、開腹手術を行った。盲腸に手拳大の硬い腫瘤を触知したが、漿膜への浸潤および周囲リンパ節の腫大は認めず、盲腸原発GISTとして回盲部切除術を施行した。盲腸に最大径10.5cmの2型様腫瘍を認めた。病理所見より、潰瘍周囲から漿膜下層に紡錘形の腫瘍細胞が著明に増生し、核分裂は著明で、盲腸由来のGISTと診断した。術後2年5ヵ月現在も再発徴候は認めていない。
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