発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005264371
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42歳男.患者は呼吸困難を主訴とした.画像所見では胃噴門部大彎側に表面粗大結節状の隆起性病変を認め,開腹手術を施行したところ,術中迅速病理診断で肉腫と診断した.腫瘍は易出血性で非常に脆弱てあり,切除中バラバラになった.病理組織所見で,腫瘍表面の大部分に粘膜はなく,異型の強い紡錘形腫瘍の増殖を認めた.術後経過は良好で,6ヵ月後までは異常はなかった.だが,術後8ヵ月目に腹部膨満感を自覚し,9ヵ月目のCTで再発を認めた.胃内に腫瘍の再発は認められなかったが,胃後壁膵前面,右下腹部,Douglas窩直腸全面の3ヶ所に腫瘤を認め,Gastrointestinalstromal tumorの腹膜再発と診断して再手術を施行した.病理組織所見では,腫瘍は初回と同様の細胞からなり,胃壁から再発したのではなく,初回手術時に腫瘍が壊れたことから腹膜播種を来したと考えられた.軽快退院したが,5ヵ月後のCTで再々発を認めた.切除不能で化学療法を施行するも,初回手術から17ヵ月後に死亡となった
©Nankodo Co., Ltd., 2005