発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017398772
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77歳男性。胸部異常陰影を主訴とした。CTで右肺S8に辺縁平滑、境界明瞭で不均一な造影効果を示す1.7cm大の充実性結節を認めたが、FDG-PETや血液検査で異常所見はみられなかった。良性腫瘍や転移性・原発性肺癌などを疑い、確定診断目的にCTガイド下針生検を施行した。その結果、短紡錘型から卵円形の核を有する細胞が密に増生し、間葉系腫瘍が示唆された。免疫染色はAE1/3(+)、TTF-1(-)、CD34(+)、blc2(+)であり、孤立性線維性腫瘍(SFT)と診断した。画像上、胸膜との連続性はなく、肺内SFTと診断した。腫瘍は中枢側に存在し、部分切除は困難と判断し、胸腔鏡補助下に右肺S8区域切除術を施行した。術後の病理診断でSFTと確定診断した。術後5日に軽快退院となり、術後9ヵ月の現在まで再発を認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2017