発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017135917
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39歳女。胸部異常陰影を主訴とした。健診精査にて紹介受診し、胸部CT所見で右肺下葉S8に辺縁整、境界明瞭な結節影(長径12mm大)を認めた。腫瘍マーカーはいずれも陰性であり、良性腫瘍の疑いで右肺下葉S8の部分切除を行い、迅速病理検査で孤立性線維性腫瘍(SFT)と診断された。病理組織学的所見では膠原線維を背景として、紡錘形細胞が不明瞭な束状構造を呈して増殖しており、免疫組織学的染色ではCD34、CD99、BCL2が陽性、αSMA、デスミン、S-100蛋白、CK、AE1/AE3が陰性を示し、核異型性は乏しく核分裂像は認めなかった。また、胸膜との連続性はなく、肺内発生の良性SFTと診断した。術後7年経過現在、再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2017