発行日 2012年2月1日
Published Date 2012/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012171414
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62歳女性。咳嗽および息切れを主訴に前医を受診、胸部CTにて右胸腔の巨大腫瘍を認め、更に生検により非上皮性腫瘍と診断され、精査加療目的で著者らの施設へ紹介となった。所見では胸部CTで巨大腫瘍が右胸腔を占拠し、横隔膜および縦隔を強く圧排、中間肺動脈幹への浸潤が疑われた。また、十分な組織診断は得られないものの、腫瘍の増大傾向が著しく、呼吸状態の悪化が深刻であった。以上より、準緊急的手術が行われたが、手術はclamshell切開に下部胸壁door open型開胸を追加することで、十分な術野が得られ、右肺と腫瘍を一塊に摘出することができた。摘出標本は25×19×12cm、2830gで、病理組織学的に悪性孤立性線維性腫瘍であった。尚、術後は7日間、陽圧呼吸管理を行った後、両側胸腔ドレーンをクランプし、第12日目にドレーンを抜去した。目下、手術から6ヵ月経過で無再発生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012