発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015000783
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69歳女。検診で胸部異常陰影を指摘された。胸部X線で下行大動脈-横隔膜角の鈍化を認め、CTでは左肺下葉の完全無気肺を認めた。気管支鏡では左肺下葉入口部に表面平滑で易出血性なポリープ状の腫瘍を認め、同部位の穿刺吸引細胞診はclass Iであった。約1年前の胸部X線像を確認したところ、既に左肺下葉の無気肺が存在していたため、腫瘍を摘出しても下葉が再膨張する可能性は極めて低いと判断し、左肺下葉切除術を施行した。病理組織所見は腫瘍は気管支粘膜に覆われた15×10×10mmのポリープで、紡錘形の腫瘍細胞の増生からなっていた。腫瘍細胞の核は不均一で多形性に乏しく、分裂像も目立たなかった。免疫染色ではvimentin、CD34、bcl-2、CD99が陽性、S-100蛋白、α-smooth muscle actinが陰性であった。以上より孤立性線維性腫瘍と診断した。術後経過は良好で、約6年経過現在も再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2014