発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017398771
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53歳女性。胸痛を主訴とした。8ヵ月前に婦人科で子宮内膜間質肉腫に対し子宮・卵巣全摘術を施行し、術後2ヵ月より肉腫の局所再発、左肺転移巣、気胸をきたした。2週間前に両側に多発する嚢胞性病変を認め、その後、突然の胸痛が出現した。救急外来で両側気胸の診断で右・左胸腔ドレナージ治療を行ったが、右胸腔ドレーンからのリークの遷延と皮下気腫の拡大をきたし、当科に紹介受診となった。X線で右気胸を認め、CTで前胸部と頸部の皮下気腫、縦隔気腫、左気胸の悪化を認めた。術前に左胸腔ドレーンからのリークは停止していたため、右のみ手術を行った。胸腔鏡視下に水試験で右下葉の葉間面に存在する瘻孔を同定し、その瘻孔を周囲組織と一塊にして切除した。術後、リークは認めず、術後2日よりドレーンを抜去した。病理検査で嚢胞壁からCD10陽性の子宮巣膜間質肉腫を認め、その肺転移と診断した。
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