発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010107249
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48歳男。胸部異常陰影を主訴とした。8年間観察していた右中肺野の結節が増大傾向を示し、胸部CTにて右S4肺実質内の結節は内部均一、辺縁明瞭で気管支や血管陰影との交通は認めなかった。脳MRI、骨シンチグラム、腹部CTおよび上部消化管内視鏡所見でも異常を指摘できず、良性肺腫瘍の疑いで胸腔鏡補助下手術肺生検を行い、S4の結節を切除した。病理組織検査では脊索腫または肺良性淡明細胞腫が疑われたが、免疫組織学的に上皮系細胞と間葉系細胞の両方の性質を有し、S-100陽性を示すことより脊索腫の肺転移と診断した。術後経過は良好であるが、脊椎全体と頭蓋底のMRIならびに全身PET-CTを追加するも原発巣は不明であり、原発巣の顕在化、局所再発に注意して経過を観察する必要がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2010