臨床経験
肺内発生の孤立性線維性腫瘍
小森 和幸
1
,
田畑 俊治
,
勝俣 博史
,
箕輪 宗生
,
藤村 重文
1東北薬科大学病院 呼吸器センター呼吸器外科
キーワード:
胸部X線診断
,
鑑別診断
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
免疫組織化学
,
ビデオ下胸腔鏡手術
,
孤立性線維性腫瘍
,
胸腔鏡下肺生検
,
胸部CT
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Immunohistochemistry
,
Lung Neoplasms
,
Pneumonectomy
,
Radiography, Thoracic
,
Thoracic Surgery, Video-Assisted
,
Solitary Fibrous Tumors
pp.757-760
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015395170
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34歳女。検診で左胸部異常影を指摘された。胸部X線で左下肺野に第3弓の高さに腫瘤影を認め、CTでは左肺下葉S9+10中枢側に38×29mm大の類円形腫瘍を認めた。造影効果のある軟部濃度の腫瘍で、辺縁は明瞭であった。臓側胸膜からは離れており、肺内に孤立する腫瘤影であった。鑑別疾患目的に胸腔鏡下肺生検を施行した。腫瘍は下葉S6c~S10a領域に存在し、部分切除は困難と判断して左肺下葉切除を施行した。病理組織所見では紡錘形細胞が束状に走行する像を認め、細胞が密に配列し、herringbone patternを示す部分や、細胞が疎に網目状配列を示す部分などが混在していた。腫瘤内には小血管も豊富にみられた。免疫組織学的には紡錘形細胞は血管内皮細胞と同様のCD34陽性であった。以上より、限局性線維性腫瘍と診断した。術後13日に軽快退院し、現在外来通院中である。
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