発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014367326
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76歳女。38歳時に右乳癌に対し定型的乳房切除術、52歳時に左肺の6ヶ所の転移性肺腫瘍に対し肺部分切除術を受け、術後補助療法としてtamoxifen、tegafur・uracilを5年間内服し、以後は定期的な経過観察は受けていなかった。74歳時、検診で胸部異常陰影を指摘され当科紹介となり、CTで右肺S10に18mmの結節を認めたが、経気管支肺生検で悪性所見はなく、PET-CTでも有意な集積はなかった。76歳時の経過観察CTで同結節のサイズは30mm大に増大し、石灰化を伴う境界明瞭な分葉状を呈していた。なお、PET-CTでは2年前と同様に有意な集積は認めなかった。右肺S10の孤立性陰影に対し、診断治療目的に胸腔鏡下右肺部分切除術を行った。病理組織検査で38歳時の乳癌や52歳時の転移性肺腫瘍の病理組織標本と類似した像を認めたことから、乳癌粘液癌の肺転移と診断した。術後15日に軽快退院し、術後12ヵ月の現在、再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2014