臨床経験
肺動脈カテーテル損傷による開心術後仮性肺動脈瘤
牧田 哲
1
,
丸山 俊之
1横須賀共済病院 心臓血管外科
キーワード:
カテーテル法
,
胸部X線診断
,
血管造影
,
術後合併症
,
塞栓術
,
大動脈弁狭窄症
,
X線CT
,
肺動脈
,
Swan-Ganzカテーテル法
,
人工器官機能不全
,
動脈瘤-偽性
,
三次元イメージング
,
開心術
,
血管内治療
,
コイル
Keyword:
Aortic Valve Stenosis
,
Catheterization
,
Catheterization, Swan-Ganz
,
Angiography
,
Embolization, Therapeutic
,
Prosthesis Failure
,
Postoperative Complications
,
Pulmonary Artery
,
Radiography, Thoracic
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Aneurysm, False
,
Imaging, Three-Dimensional
,
Endovascular Procedures
pp.752-755
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015395169
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73歳女。約1年前からの労作時呼吸困難を主訴とした。超音波検査で重度の大動脈弁狭窄症を認め、心臓カテーテル検査では冠状動脈造影で右冠状動脈後下行枝と左回旋枝#15に75%狭窄を認めた。開胸下に冠状動脈バイパス術(大伏在静脈(SVG)-#4PD)、SVG-後側壁枝とウシ心嚢膜弁を用いた大動脈弁置換術を施行した。術直後のX線で肺動脈カテーテル(PAC)先端は右肺動脈内の適切な位置に挿入されていたが、翌日にはPACの先端がより進入していた。その後、突然激しい咳嗽とともに喀血を生じ、肺出血を認め、肺出血は治まったものの縦隔のドレーンからのエアリークおよび右肺虚脱を認め、右気胸を生じた。第8病日に右下葉S7に生じた気瘻を縫合閉鎖し、第14病日に人工呼吸器を離脱した。第21病日のCTで右肺動脈のA4に14mm大の仮性肺動脈瘤を認め、第23病日にコイルを用いた経カテーテル的動脈塞栓術を施行し、7日後の造影CTで仮性瘤の塞栓を認めた。また、冠状動脈造影でバイパスグラフトの開存を確認した。術後49日に軽快退院し、術後1年の造影CTで仮性肺動脈瘤に血流の再開通や増大は認めなかった。
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