臨床経験
α-フェトプロテイン産生肺腺癌
小森 和幸
1
,
田畑 俊治
,
佐藤 公昭
,
勝俣 博史
,
箕輪 宗生
,
近藤 丘
1東北薬科大学病院 呼吸器センター呼吸器外科
キーワード:
Alpha-Fetoproteins
,
Carboplatin
,
気胸
,
胸部X線診断
,
腫瘍多剤併用療法
,
腺癌
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
免疫組織化学
,
アジュバント化学療法
,
アジュバント放射線療法
,
Pemetrexed
,
Bevacizumab
,
胸部CT
Keyword:
Bevacizumab
,
Pemetrexed
,
alpha-Fetoproteins
,
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Adenocarcinoma
,
Immunohistochemistry
,
Lung Neoplasms
,
Pneumothorax
,
Pneumonectomy
,
Radiography, Thoracic
,
Carboplatin
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
Radiotherapy, Adjuvant
pp.995-999
発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016009593
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今回著者等は、気胸を契機に発見されたα-フェトプロテイン(AFP)産生肺腺癌の1例を経験したので、文献的考察を加えて報告した。症例は53歳男で、病型はhigh-grade adenocarcinoma of the fetal lung type(H-FLAC)と考えられた。H-FLACは既報告により、単独で発生するよりも他の腫瘍組織型との混在型で存在するほうが多いとされており、本例でも扁平上皮癌と混在していた。また、背景に肺線維症や気腫性嚢胞形成が観察される頻度が高いとされており、本例でも間質性肺炎を合併していた。治療については通常型腺癌と同様に基本は完全切除であり、非切除例に対する補助療法は化学療法が一般的である。本例に対しては肺部分切除を行い、術後に放射線化学療法を施行したが、間質性肺炎の病勢が制御できず化学療法を完遂できなかった。
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