臨床経験
限局性悪性胸膜中皮腫
竹井 大祐
1
,
山木 実
,
則行 敏生
,
竹元 雄紀
,
河島 茉澄
,
齊藤 竜助
,
佐々田 達成
,
吉田 誠
,
天野 尋暢
,
福田 敏勝
,
中原 雅浩
1JA広島厚生連尾道総合病院 外科
キーワード:
Cisplatin
,
開胸術
,
胸腔鏡法
,
胸部X線診断
,
胸膜腫瘍
,
腫瘍多剤併用療法
,
中皮腫
,
免疫組織化学
,
Pemetrexed
,
アジュバント放射線化学療法
,
開放手術への変更
,
胸部CT
Keyword:
Pemetrexed
,
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Cisplatin
,
Immunohistochemistry
,
Mesothelioma
,
Pleural Neoplasms
,
Radiography, Thoracic
,
Thoracoscopy
,
Thoracotomy
,
Chemoradiotherapy, Adjuvant
,
Conversion to Open Surgery
pp.761-763
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015395171
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65歳男。1ヵ月以上続く咳嗽を主訴とした。単純X線で気管支の左側への偏位を認め、CTでは食道・上大静脈(SVC)に接し、気管を右背側より圧排する50mm大のコブ状の腫瘍を認めた。中心部の造影効果は乏しく、壊死性変化が疑われた。縦隔腫瘍と診断して手術を施行し、手術所見では腫瘍の気管内への浸潤はなく、周囲組織に癒着していた。右上葉の癒着が強く、腫瘍と癒着した肺の部分切除を行った。奇静脈との癒着も認め、奇静脈を切断した。食道・右主気管支・SVCから腫瘍を剥離し摘出した。病理組織所見では核異型のある腫瘍細胞と紡錘細胞が混在しており、免疫組織化学染色ではEMA、calretinin、HBME-1、D2-40、cytokeratin5/6、p58が陽性を示した。以上より、二相性の悪性胸膜中皮腫と診断した。術後はびまん性胸膜悪性中皮腫に準じて腫瘍摘出部位に放射線を局所照射し、補助化学療法(CDDP+PEM)を4コース施行した。術後7ヵ月の現在まで再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2015