発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017264358
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症例は63歳女性で、喘鳴が持続し、胸部CTと気管支鏡検査により左下葉の閉塞性肺炎、左底幹入口部を閉鎖する径11mmの隆起性病変を確認した。経気管支肺生検では確定診断は得られず、レーザー焼灼を試みたが腫瘍は易出血性で、焼灼治療は中止した。胸部X線では、左下肺野に無気肺を認めた。胸部CTでは、左下葉の部分的無気肺と左底幹内に径11mmの隆起性病変を認めた。気管支鏡では、左底幹入口部の内腔を閉塞する表面平滑な腫瘤を認めた。腫瘤から十分な距離をおき下葉気管支を切離し、左下葉を摘出した。病理組織所見は、悪性所見はなく脂肪腫との診断であった。末梢の肺は気管支内に菌塊、炎症細胞の浸潤を認め、閉塞性肺炎の所見であった。術後経過は良好で第7病日に退院した。術後8年で喘鳴はなく、腫瘤の再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2017