発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015000782
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84歳男。高血圧で通院中、胸部異常影を指摘された。CTで胸部下行大動脈外側に74×44mmの腫瘤影を認め、MRIではT1強調像で低信号、T2強調像で不均一な高信号を示した。全身PET-CTで異常集積は認めなかった。後縦隔より発生した神経原性腫瘍などを疑い手術を行った。胸腔鏡補助下に腹腔内を観察したところ、術前の予想に反し腫瘍は左肺下S10から発生しており、腹壁との連続性は認めなかった。正常肺との境界は明瞭で、十分に辺縁を確保して部分切除とし腫瘍を摘出した。病理組織学的に腫瘍は肺内を主坐とした病変で、高度な核異型、核分裂を伴った紡錘形細胞が束状に増殖していた。免疫染色ではCD56、NSEが陽性を示した。以上より、悪性末梢神経鞘腫瘍と診断した。術後経過は良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014