発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012213782
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症例は48歳女性で、咳と発熱を主訴とした。過去5年間に肺炎を4回繰り返していた。CTで左主気管支を占拠する病変を認め、左上葉気管支内腔および左下葉気管支入口部に及んでいた。気管支鏡検査で左主気管支内腔を閉塞するように、表面が平滑で可動性に乏しい弾性硬のポリープ状病変が認められた。ポリープが非常に大きく長いため、内視鏡的に治療を行うことができず、後側方切開による開胸で手術を施行した。ポリープは気管支に密に接して内腔を閉塞しており、更に可動性が乏しいことから、気管支壁と連続している可能性が否定できなかった。したがって、気管支壁との連続性が疑われる部分を併せて切除するために、左主気管支と左下葉気管支を全周性に切離して管状左上葉切除術を行った。摘出したポリープの全長は約8cmで、左B5末梢の気管支壁から発生していた。病理診断は気管支原性線維上皮腫であった。術後1ヵ月の現在、再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2011