発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009296150
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52歳女。左下顎骨骨肉腫の術後経過観察中で、3ヵ月前より咳嗽が出現しX線、CT、気管支鏡で骨肉腫肺転移と診断した。右気管支内腫瘍も急速に進展し手術目的入院した。CTで右下葉に辺縁不整な内部石灰化を伴う腫瘤、右S2と左S1+S2に結節影、右中間気管幹内に腫瘍を認めた。気管支鏡で右主気管支入口部に気管内腫瘍を認めた。右後方側第5肋間開胸を行い、A2を結紮切除、肺動脈上幹を温存した肺動脈切除とV4+V5、下肺静脈切除を行った。中間気管支幹を全周性に切断して主気管支内に進展した腫瘍を引き抜いて中下葉切除、上葉部分切除を行いS2の肺転移巣を摘出した。右肺の灰白色充実性腫瘤は気管支壁を破壊し右中間気管支幹から右主気管支内の内腔を充填して進展していた。病理所見より紡錘形細胞や多形の強い核をもつ腫瘍細胞のびまん性増殖の多形肉腫であり、転移性骨肉腫所見に一致した。術後Cisplatinによる化学療法で13ヵ月現在、左肺上葉と右肺上葉に残存腫瘍を認めるが良好なQOLで外来通院中であった。
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